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ツアーの団長を引受けて
土田 旭
 台湾に関しては、実は私というよりも東京大学西村研から私ども研究所の仲間になった今川君のテリトリーともいうべきで、今回のツアー企画の具体的段取りは、ほとんど彼のコネクションと尽力による。
  団長としての私は、例によって分派行動をすべくいろいろ予定していたのだが、濃い企画内容のスケジュールと台湾側の準備のお陰で、結果はみな一緒にバスに乗っているのが一番楽で得をするということになってしまった。もっともそうした中でも、皆さん、ある程度は自由を楽しまれたようではあったが。
  ここで、今回受け入れをしていただいた台湾側の方々の紹介とお礼を申し上げたい。
  実は台湾ではスケジュール面からお会いすることができなかったのだが、台北市役所で都市デザイン行政を推進しておられる林崇傑さんや、歴史的資産の保存と活用に関する活動に長年取組んでおられる邱如華さんのお二人には事前にいろいろ助言をいただき、また今回の訪問先や専門家によるガイドの手配などをしていただいた。
  また参加メンバーの加藤(源)さんがかつて研究室仲間であった劉淑芬さんを探しだし、彼女の希望で最初から最後まで同行、参加をいただいた。つい昨年まで台湾政府で都市計画、住宅政策を担当していたそうで、途上、中央政府として考えていたことの断片をうかがい、また台北市内の自邸に案内いただき台湾での生活事情、家庭事情等についての話など、楽しい一夜を過ごさせてもらった。現地参加のゲストメンバーとして受け入れたいと考えている。
  台南では、都市発展局の李局長のご配慮とそのご指導のもとに、都市計画や環境改造計画について若いスタッフたちの熱の入った説明を受けることになった。
  何よりも許添財(シュー)市長の、将来を見据えた力強く明快な抱負と戦略をうかがえたのは望外のことであった。また市長からは記念品(額入りタイル絵で赤嵌楼(プロビデンシャル城))をいただくことになった。
  また成功大学都市計画科の孔副教授には日本語でブリーフィングの通訳と、現地視察ではバスに同乗いただき、薄暗くなるまで各所の案内と説明をいただいた。京都大学に留学しておられたそうである。
  高雄では市主催の国際シンポジウムに是非出席して欲しいと要請れ、限られた時間ではあったが飛び入りで代表が出席、歓迎を受けた。以上の方々には厚く感謝する次第ある。
  閑話休題。台南では、かの有名な台南料理の数々を試みたいとの誰かの無理が通じ、ブリーフィングのあとの昼食に「周氏蝦捲」の店へ行ことになった。
  台南出身の劉さんが言うには「台南料理の食べ方は、名物を一品しかもっていない店ばかりなので、いろいろ食べたいなら、一軒一軒回って一品ずつ食べ歩かなければならい」のだそうで、実は今もってそうだそうであるが市のご配慮ではあったが、この周氏蝦捲の店では他店の了解を得て(?)、さまざまな名物が一卓に並べて食べられるようになったのだそうである。もって瞑すべきであった。この席に、高雄での国際シンポジウムに出席されるということで市役所を訪れていた成功大学とシンガポール大学の若い先生がお二人飛び入りで出席された。 
  この席でどちらの先生か忘れたが「台湾の都市計画、都市デザインをご覧になっていかがですか」と質問され、悪い癖で「行政も政治家もまじめに取組んでいるようにみえる」と〈はしょりすぎた〉感想をうっかり口にしたところ、「まじめですか」とニヤニヤされた次第。
  実は、これまで二回ほど訪台、都市計画、都市デザインあるいは都市開発の関係者と会い、いくつもの場所を案内してもらい、また説明を受けたことも含めての感想ではあったのだが、その比較対象として日本があり、一部中国(大陸)も脳裏をかすめたための答えであった。
  台湾にこのような感想があたっているかどうかは甚だ心許ないが、いずれにせよ、李登輝政権の後半から現政権の5年間、政策が一貫してまじめに取組むべき対象として行政や市民に理解されているように思えてうらやましく感じていたのは事実である。
  以上に触れた方々以外にも多くの方々のご好意で今回のツアーが成り立ったことにあらためて感謝する。ツアーを通じて得たなにがしかを、今後の交流あるいは仕事に生かしていきたいものである。



 


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