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台湾における都市デザインの現状を把握することを目的として、台北市・台南市・高雄市の3大都市を訪問し、各都市の都市デザイン担当部局へ案内をお願いしながら、視察を行った。
台湾全体の都市デザインのトレンドを探るには、これら大都市の近郊や、地形や歴史的背景から都市化が遅れていた東海岸の諸都市における近年の動きなども含めて見学することが望ましかったが、日程や交通手段を考えると、今回のコースは最も効率的にめぐることができるコースだったと思う。今後、さらに継続して、他の都市を視察する機会を得ることができれば、大都市部とは異なる都市デザインの展開を見ることもできるだろう。
なお、今回の行程の作成に当たっては、台北市都市発展局の林崇傑氏の多大な協力によるところが大きかった。台北市政府で積極的な都市デザイン施策を推進する傍ら、日本のまちづくりについても関心を持ち交流を続けてくださっている林氏が各都市の都市デザイン担当者を紹介してくださったことにより、各都市で行われている都市デザイン施策についてのレクチャーや現地での担当者による説明などを得ることができた(あいにく林氏は自身の訪日と重なり現地でお会いすることはできなかったが)。林氏をはじめとして、各都市でお世話になった方々には心から御礼を申し上げたい。
視察は、2005年4月3日〜8日の6日間で行われた。主要な行程は以下の通りである。下記は全体で行動した部分のみであるが、自由時間等に各自さらに気になる場所への見学等を行った。
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第1日 4月3日(日) 台北
【台北市政府→信義区商業エリア→四四南村→華山特区】
まず、初日は台北市政府都市発展局の陳さんが休日のところを対応してくださり、市庁舎において、市庁舎や101ビルが立地する新都心である信義区の計画背景等の説明を受けた。その後、立体歩行者ネットワークの整備などが進められている信義区の商業エリアを見学した。続いて、信義区開発エリアの南にある「四四南村」を見学した。ここは、旧退役軍人の官舎を取り壊して公共施設とした地区であるが、その際に、土地の記憶を残すランドスケープを施したところである。そして、最後に、日本植民地時代に建てられた酒造工場の建物を活用した華山創芸文化園区を見学した。 |

台北市政府 |
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第2日 4月4日(月) 台北
【総統府前→市長官邸・台湾大学法学部→現代美術館→第十五号公園→西門町】
2日目は、1日目の新都心と対をなす、旧市街地を中心に見学を行った。まず、総統府周辺の官庁街エリアを見学、その後、市民向けの芸術サロンとして活用している旧台北市長官邸や、近代建築として落ち着いたたたずまいを見せる台湾大学法学部校舎を見学した。さらに、旧市役所・建成小学校という経歴をたどり現在は現代美術館として活用されている建物を訪れた。その後、新しく整備された公園や歩行者商業エリアとして整備された西門町を見学した。 |

台湾総統府 |
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第3日 4月5日(火) 金瓜石・九イ分 (以降は「にんべん」を省略する)
【金瓜石(十三層遺跡、黄金博物園区)→九分→碧沙海岸・潮境公園→基隆】
3日目は、台北市を離れ、1,2時間ほどの郊外にある、北部海岸エリアの産業遺産や歴史的な町並み、海辺の観光地を巡った。金瓜石は日本植民地時代に鉱山町として発展した地区で、採鉱施設や労働者住宅、時の皇太子(昭和天皇)の迎賓館(来訪は実現せず)などが残り、現在、産業博物園区として整備が進められているところである。九分は、金瓜石に隣接する、斜面上につくられたまちである。台湾の有名な映画監督である候孝賢(ホウ・シャオシェン)氏の映画「非情城市」をきっかけに瞬く間に人気観光地となった景勝地でもある。その後、海岸沿いにある碧沙港の台湾版フィッシャーマンズワーフで昼食をとり、さらに海岸沿いの公園整備「潮境公園」を見学した。また、台北への帰路上、かつては台湾の北の玄関口として栄えた基隆港を車上から見学した。 |

金瓜石
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第4日 4月6日(水) 台南
【台南市役所→安平地区(安平樹屋・安平古堡・古い町並み)→四草塩田生態文化村→孔廟地区→五条港・海安路地区】
第4日目は台南へ移動し、台湾の古都における都市デザインの取り組みを見学した。まず、台南市政府の御招待により、市庁舎で都市デザイン施策・事業に関する紹介が行われた。その後、一度台南中心部を離れ、海際の安平地区を訪れた。ここは、オランダ人が初期に開発を行い、業務・海防の拠点を築いた地区である。廃墟となった建物に力強く根を張るマングローブを「歴史」としてうまく整備・展示した安平樹屋は見学者の驚きを誘った。その後、オランダ人が築いた安平古堡、周辺の古い町並みを見学した。次に、さらに市街地から離れ、四草地区にある、塩田の生態・文化保存に取り組む施設を見学した。これも日本植民地時代に産業として発展した塩業を活用して、環境学習への活用や地域住民の生活文化の継承の支援に取り組むというプロジェクトであった。その後、中心市街地に戻り、孔廟周辺の公園・歴史的建造物再整備プロジェクトを見学し、最後に、五条港の伝統的な町並みにおけるまちづくり活動、街路整備にあたり若い芸術家や地域住民とがコラボレーションした海安路などを見学した。 |

台南市役所

台南市長;許添財氏 |
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第5日 4月7日(木) 高雄
【(国際シンポジウム→)愛河沿岸公園(光橋)→高雄市歴史博物館(旧高雄市役所)→高雄市願景館(旧高雄駅舎)→旗津区・下水道博物館】
第5日目は南部の中心都市高雄へ移動した。午前中は、市が主催するシンポジウムへの参加、愛河沿岸の公園整備プロジェクトの見学を行った。その後、高雄市歴史博物館、高雄市願景館といった、やはり日本植民地時代の近代建築を活用している事例を見学した。その後、海沿いの旗津区にある下水道博物館や海岸沿い公園などを見学した。 |

旧高雄市役所 |
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第6日 4月8日(金) 高雄
【寿山山頂→旧英国領事館→哨船頭公園→清澄湖】
最終日は、出発前の午前中、市街地北部の鼓山地区周辺を見学した。まず、高雄市を一望できる寿山へ登り、その後、高台にある英国領事館を活用した喫茶店やウォーターフロントの公園整備などを見学、最後に、「龍」「虎」2つの塔で有名な清澄湖を見学し、視察の全行程を終えた。 |

清澄湖 |
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